本日国税庁から「仮想通貨に関する税務上の取り扱いについて(FAQ)」が公表されました。内容としては昨年の12月に公表された資料の捕捉のような内容でだと思います。
平成29年12月に公表された「仮想通貨に関する所得の計算方法について」平成30年11月に公表された「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」
新しい事項の一つとしては、国内の仮想通貨交換業者から送られてくる年間取引報告書を用いた所得の計算方法について解説があります。
以下のリンク先の最下部にデータがあります「仮想通貨の計算書」をつかって計算する方法を説明してくれています。
国内の取引所のみで取引をしている場合はこの「年間取引報告書」により計算はかなり容易になりそうですね。
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/faq/index.htm
個人的に一番気になるのは所得区分に関する事項です。
ご存知の通り仮想通貨取引に関する所得は原則的に「雑所得」に区分されますが、「その仮想通貨取引自体が事業と認められる場合」
(例えば仮想通貨取引の収益によって生計を立てていることが客観的に明らかである場合など)は事業所得となる余地はある、とされています。
雑所得と事業所得は損益通算や繰越控除等の関係で、明らかに事業所得となる方が有利なためどちらの所得区分となるかは税務調査等でもよく問題になるところで、過去の判例等では特にこういった金融取引に関する判例では雑所得と判断されています。
仮想通貨に関してはまだそういった判例は確認できませんが、そろそろそういった所得区分が争点となる事例も来年あたりから出てくるような気がしています。
個人的な見解としては働き方が多様となり、副業も一般的になりつつある中、こういった取引が事業所得として認められる余地もあるのではないかと考えています。