米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission:SEC)ゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は1月11日米軍が主催したTwitterスペースのディスカッションで、暗号資産投資のアドバイスをした。
「暗号資産は非常に投機的で揮発性の高い資産である。ほとんどの暗号資産はワイルドウエスト(無法地帯)であり、米証券取引法に準拠していない。多くの暗号資産トークンは失敗する」と警告し、また、FOMO(Fear of Missing Out、取り残されることへの恐れ)を克服するよう投資家に助言した。
FOMOは市場の原動力の1つである。「みんなが稼いでいて自分だけ稼がないのは損だ」という損失回避が働き、多くの人が知識もなくリサーチもせずに市場に参入する。
ゲンスラー委員長は、「多くの暗号資産トークンが失敗するのは、ベンチャーキャピタルとスタートアップが失敗したからである。また、歴史がマイクロ通貨が発展する余地がないことを教えている」と、暗号資産プロジェクトのほとんどが失敗する運命にあると指摘した。暗号資産価額トレッキングサイトのコインマーケットキャップ(CoinMarkerCap)には約8800の暗号資産が掲載されている。
ゲンスラー委員長が暗号資産トークンの失敗について警告したのは、今回が初めてではない。テラ(Terra/Luna)エコシステムが崩壊した2022年5月、「多くの暗号資産トークンは失敗するだろう」と警告している。
また、SECは1月12日、暗号通貨取引所ジェミナイ(Gemini)とレンディング企業ジェネシス(Genesis)を起訴した。ジェネシスが募集・販売したジェミナイの利回りを得られる商品ジェミナイアーン(Gemini Earn)が未登録有価証券に該当するとして、ニューヨーク地方裁判所に訴状を提出したのである。
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